2012年 12月定例議会の報告(一般質問を中心に)
2012年 12月定例議会の報告(一般質問を中心に)
12月定例議会にて、下記の一般質問を行いました。
市立小・中学校の統廃合の件では、市教育委員会は来間小・中学校と宮原小学校へ的を絞ったようです。来間小・中を下地小・中へ統合、宮原小を鏡原小へという計画です。池間小・中は現状のままということについては、既に知られているとおりです。
池間小・中を併置して残し、来間小・中を残せないとする理由について、市教委は「通学距離」をその一つに挙げます。池間小・中から西辺小・中までは約12,6㎞、来間から下地小・中までは4,8㎞というのが教育長の答弁です。来間と下地小・中は4,8㎞しかないから統合というように聞こえます。
4,8㎞の距離なら徒歩か自転車で通学可能という判断なのでしょうか。4,8㎞とはいえ、児童・生徒が大橋を渡って通学するには徒歩というわけにはいかず、車を利用するか、自転車を利用するかになると思われるのですが、行政が通学バスを考えていないとなると(4,8㎞は自力通学可能か)、大橋を自転車で通学せざるを得なくなるのではないでしょうか。
ですが、自転車通学というのはやはり危険ではないでしょうか。自転車は車道走行が原則です(近年は歩道走行もOK?)。せめて自転車道があればと思うのですが、大橋ではそれも無理でしょう。とすればやはり、親や保護者の負担が過重になるのは明らかで(児童の自転車通学は無理ですし)、教委の統合案も無理に思えます。
私は、池間同様、来間も現在のままでいいと思うのですが、経費節減の面で強行されるおそれは残ります。行政には、島に学校を残すという努力と、どうすれば島を住みよく、豊かな場所にしていくかについて、真摯な取り組みをこれからも求めていきたいと思います。
宮原小についても同様ですが、どの地域についても行政は教育委員と教委の職員しか説明に派遣しておりません。まさか、統廃合対象校やその地域が活性化し、人口が増えたりすることをおそれているとも思えないのですが、市長、副市長をはじめ、企画政策部や総務部、建設部、農林水産部、観光商工局等のまちづくりに関わる部局が同席しての説明会という光景を見たことがありません。
地域から学校がなくなるというのは、若い子育て世代の流出を招きます。少子・高齢化に拍車がかかることは明らかです。そして、そのような地域が限界集落に向かうのは必定です。これは地域の切り捨てにつながります。
いろいろな意味で異論や懸念が出てきました。各学校からよりよい教育のためのプランを提出してもらい、学校へのヒアリングも行いながら教育委員会が査定し、これに特別予算をつけるというものです。私が疑問や懸念を覚えるのは、
○ この査定で、諸々の原因により、低く評価された学校の職員、父母、保護者、地域にに対する影響は考慮されているのか、これにより、学校のランクづけがされることはないのか?
○ 学校職員の業務量の増大、児童・生徒の多忙化につながらないか?
であり、そのような面で質問を行いました。教育長の答弁はそれなりに理解できるのですが、懸念が払拭されたわけではありません。予算配分権を教委(教育長)が持つとなると、そこから徐々にゆがみが生じやすくなってくるということはよくある事例です。公正、公平な査定や配分というのはその査定基準がきわめて難しいという点にあります。教委や教育長の関心部分に校長の視点が過敏になったりするという現象は否定しがたく、学校の課題より、教委の関心のある課題に顔が向くということにでもなれば、この時点でこの試みは失敗してしまいます。
教育長は、査定や評価を自分一人で決めるわけではないと答弁しますが、しかし、教育委員会で決めるのは確かなようです。「やる気のある学校へは増額(傾斜配分)もある」ということですから(傾斜配分はマスコミの造語だという答弁ですが)やはりしっくりきません。
このことから、学校規模等に合わせた一律配分(大阪では、一律300万円配分の地域があるそうです)についても提起しましたが、反応はありませんでした。
教育長裁量1,000万円と学校の統廃合問題がダブッて脳裏をかすめたりしますが、杞憂であってほしいと思っています。
高校生のバス通学助成(回数券購入時の割引)について、また、高齢者運転免許自主返納者への料金割引について質問しました。高校生の通学にかかる回数券は、現在、大人料金の半額で販売され(平成24年8月から)、関係者の負担軽減につながっているところですが、高齢者(65歳以上)で運転免許を自主返納した方への、バス会社の割引サービスも沖縄本島では行われており(運転経歴証明書の提示が必要、50%引き)、平成24年5月から始められているとのことです(沖縄、琉球、東陽、那覇バス4社)。
宮古で今すぐというようにはならないと思われますが、行政もこれらの情報は手にしていた方が良いと考え、あえて取り上げました。高校生への減免措置は次年度も行われるとの答弁で、バス利用者も増える傾向にあるということですので、それなりの効果はあったと思われます。
東平安名崎に向かう旧道の改良が早めに必要だという思いで、何度か建設部に足を運び、予定などを尋ねてきたところですが、今年度中には着手、完了するという答弁ですので安心しました。さとうきびの搬出に大型ダンプの往来が多くなる時期なので、事故などの不安が残ります。
宮古伝統工芸研究センターの建設関係についても前回に引きつづき質問しました。市立の総合博物館が植物園近くにあり、工芸村が園内にあり、隣接して民営の「かたあきの里」があるというのに、宮古上布関係の伝統工芸センターがかなり離れた上野・野原地区でなければならないという(上野・野原がよくないという意味ではなく)まとまりの悪さが私にはよく分からないのです。類似の施設はまとまって所在するのが良いというのは誰もが分かることです。ですが、当局の方針に変化はないようです。
伝統工芸センター建設予定地から直線距離にして100m前後。住民は迷惑施設と感じているようですが、どうも施策的に見てゾーン分けの配慮に欠けるというか、哲学に乏しいという気がします。しかし、方針は変えないようです。
一括交付金の使途に追われているせいでしょうか、ものごとの決め方が急ぎすぎというか、拙速というか、ためがなさすぎるように思われます。
建物の老朽化が進んでいるのですが、手つかずです。立て替えは、築35年を経なければならないということで、いまだその対象になっていないという答弁です。(当該団地は1980年から1983年築)29年から32年経過していて、最低あと3年は待たねばならないようです。
東平安名崎のススキ等の繁茂とその対策についても聞いてみました。ススキの繁茂が旺盛で、県指定の天然記念物であるテンノウメ群落への侵入も一部見られることから、その対処方についてです。このことについては、次年度に調査の上、対処したいという答弁です。ススキは有用植物ですが、それなりの対処が必要に思えます。
※ 天然ガスの試掘については、同僚議員が取り上げていましたので控えましたが、沖縄本島で二箇所、宮古島で一箇所予定されていることは知らされていました。宮古島は保良でということで答弁がありました。具体的な場所については言及されませんでしたが、東平安名崎根元付近、陸側ということはその後の市長、副市長への聞き取りで判明しています。気になるのは景観のこと、自然(海や動植物)、地域、地元への影響等ですが、そのあたりを見守り、地域の皆さんとも協議しながら対応していくことが求められます。
12月定例議会にて、下記の一般質問を行いました。
- 学校の統廃合について
- 教育長裁量予算1,000万円の使途について
- 路線バスの市民サービス向上について
- 道路行政について
- 宮古伝統工芸研究センター建設位置について
- 上野・野原地区での新食肉センター建設について
- 福嶺団地の建て替え、又は長寿命化について
- 東平安名崎のススキ等繁茂とその対策について
学校の統廃合について
市立小・中学校の統廃合の件では、市教育委員会は来間小・中学校と宮原小学校へ的を絞ったようです。来間小・中を下地小・中へ統合、宮原小を鏡原小へという計画です。池間小・中は現状のままということについては、既に知られているとおりです。
池間小・中を併置して残し、来間小・中を残せないとする理由について、市教委は「通学距離」をその一つに挙げます。池間小・中から西辺小・中までは約12,6㎞、来間から下地小・中までは4,8㎞というのが教育長の答弁です。来間と下地小・中は4,8㎞しかないから統合というように聞こえます。
4,8㎞の距離なら徒歩か自転車で通学可能という判断なのでしょうか。4,8㎞とはいえ、児童・生徒が大橋を渡って通学するには徒歩というわけにはいかず、車を利用するか、自転車を利用するかになると思われるのですが、行政が通学バスを考えていないとなると(4,8㎞は自力通学可能か)、大橋を自転車で通学せざるを得なくなるのではないでしょうか。
ですが、自転車通学というのはやはり危険ではないでしょうか。自転車は車道走行が原則です(近年は歩道走行もOK?)。せめて自転車道があればと思うのですが、大橋ではそれも無理でしょう。とすればやはり、親や保護者の負担が過重になるのは明らかで(児童の自転車通学は無理ですし)、教委の統合案も無理に思えます。
私は、池間同様、来間も現在のままでいいと思うのですが、経費節減の面で強行されるおそれは残ります。行政には、島に学校を残すという努力と、どうすれば島を住みよく、豊かな場所にしていくかについて、真摯な取り組みをこれからも求めていきたいと思います。
宮原小についても同様ですが、どの地域についても行政は教育委員と教委の職員しか説明に派遣しておりません。まさか、統廃合対象校やその地域が活性化し、人口が増えたりすることをおそれているとも思えないのですが、市長、副市長をはじめ、企画政策部や総務部、建設部、農林水産部、観光商工局等のまちづくりに関わる部局が同席しての説明会という光景を見たことがありません。
地域から学校がなくなるというのは、若い子育て世代の流出を招きます。少子・高齢化に拍車がかかることは明らかです。そして、そのような地域が限界集落に向かうのは必定です。これは地域の切り捨てにつながります。
2)教育長裁量1,000万円使途について
いろいろな意味で異論や懸念が出てきました。各学校からよりよい教育のためのプランを提出してもらい、学校へのヒアリングも行いながら教育委員会が査定し、これに特別予算をつけるというものです。私が疑問や懸念を覚えるのは、
○ この査定で、諸々の原因により、低く評価された学校の職員、父母、保護者、地域にに対する影響は考慮されているのか、これにより、学校のランクづけがされることはないのか?
○ 学校職員の業務量の増大、児童・生徒の多忙化につながらないか?
であり、そのような面で質問を行いました。教育長の答弁はそれなりに理解できるのですが、懸念が払拭されたわけではありません。予算配分権を教委(教育長)が持つとなると、そこから徐々にゆがみが生じやすくなってくるということはよくある事例です。公正、公平な査定や配分というのはその査定基準がきわめて難しいという点にあります。教委や教育長の関心部分に校長の視点が過敏になったりするという現象は否定しがたく、学校の課題より、教委の関心のある課題に顔が向くということにでもなれば、この時点でこの試みは失敗してしまいます。
教育長は、査定や評価を自分一人で決めるわけではないと答弁しますが、しかし、教育委員会で決めるのは確かなようです。「やる気のある学校へは増額(傾斜配分)もある」ということですから(傾斜配分はマスコミの造語だという答弁ですが)やはりしっくりきません。
このことから、学校規模等に合わせた一律配分(大阪では、一律300万円配分の地域があるそうです)についても提起しましたが、反応はありませんでした。
教育長裁量1,000万円と学校の統廃合問題がダブッて脳裏をかすめたりしますが、杞憂であってほしいと思っています。
3)路線バスの市民サービス向上について
高校生のバス通学助成(回数券購入時の割引)について、また、高齢者運転免許自主返納者への料金割引について質問しました。高校生の通学にかかる回数券は、現在、大人料金の半額で販売され(平成24年8月から)、関係者の負担軽減につながっているところですが、高齢者(65歳以上)で運転免許を自主返納した方への、バス会社の割引サービスも沖縄本島では行われており(運転経歴証明書の提示が必要、50%引き)、平成24年5月から始められているとのことです(沖縄、琉球、東陽、那覇バス4社)。
宮古で今すぐというようにはならないと思われますが、行政もこれらの情報は手にしていた方が良いと考え、あえて取り上げました。高校生への減免措置は次年度も行われるとの答弁で、バス利用者も増える傾向にあるということですので、それなりの効果はあったと思われます。
4)道路行政について
東平安名崎に向かう旧道の改良が早めに必要だという思いで、何度か建設部に足を運び、予定などを尋ねてきたところですが、今年度中には着手、完了するという答弁ですので安心しました。さとうきびの搬出に大型ダンプの往来が多くなる時期なので、事故などの不安が残ります。
5)宮古伝統工芸研究センター建設位置について
宮古伝統工芸研究センターの建設関係についても前回に引きつづき質問しました。市立の総合博物館が植物園近くにあり、工芸村が園内にあり、隣接して民営の「かたあきの里」があるというのに、宮古上布関係の伝統工芸センターがかなり離れた上野・野原地区でなければならないという(上野・野原がよくないという意味ではなく)まとまりの悪さが私にはよく分からないのです。類似の施設はまとまって所在するのが良いというのは誰もが分かることです。ですが、当局の方針に変化はないようです。
6)上野・野原地区での新食肉センター建設について
伝統工芸センター建設予定地から直線距離にして100m前後。住民は迷惑施設と感じているようですが、どうも施策的に見てゾーン分けの配慮に欠けるというか、哲学に乏しいという気がします。しかし、方針は変えないようです。
一括交付金の使途に追われているせいでしょうか、ものごとの決め方が急ぎすぎというか、拙速というか、ためがなさすぎるように思われます。
7)福嶺団地の建て替え、又は長寿命化について
建物の老朽化が進んでいるのですが、手つかずです。立て替えは、築35年を経なければならないということで、いまだその対象になっていないという答弁です。(当該団地は1980年から1983年築)29年から32年経過していて、最低あと3年は待たねばならないようです。
8)東平安名崎のススキ等繁茂とその対策について
東平安名崎のススキ等の繁茂とその対策についても聞いてみました。ススキの繁茂が旺盛で、県指定の天然記念物であるテンノウメ群落への侵入も一部見られることから、その対処方についてです。このことについては、次年度に調査の上、対処したいという答弁です。ススキは有用植物ですが、それなりの対処が必要に思えます。
※ 天然ガスの試掘については、同僚議員が取り上げていましたので控えましたが、沖縄本島で二箇所、宮古島で一箇所予定されていることは知らされていました。宮古島は保良でということで答弁がありました。具体的な場所については言及されませんでしたが、東平安名崎根元付近、陸側ということはその後の市長、副市長への聞き取りで判明しています。気になるのは景観のこと、自然(海や動植物)、地域、地元への影響等ですが、そのあたりを見守り、地域の皆さんとも協議しながら対応していくことが求められます。
2013/01/08
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