宮古島市議会議員の定数について
議員の活動は市民には見えていない
宮古毎日新聞社が4月におこなった宮古島市議会議員の定数に対する議員へのアンケート調査が、今回、どのような背景をもとに行われたかについてはつまびらかにされていません。しかし、市民の意識、感覚を反映せしめたアンケートと捉えて間違いないように思います。
市議会議員定数削減 議員17人が反対 | 宮古毎日新聞社
4年ほど前に市議会が議決した定数の見直し(28名を26名に削減)に尚、市民の大勢(新聞社も含めて)は納得していないということであり、それに異論をはさむ気はありません。議員数、少し多いな、という感覚は実のところ私自身にもあったわけで、特に当選ラインすれすれで滑り込んだ一人としては戦々恐々ものですが、しかし個人の思いと宮古島市全体の利益や方向性を考えれば、それは適正な方向に向かわざるを得ないという思いは常々持っていたつもりです。同会派の議員も「避けられないだろう」という反応でした。市民の反応は圧倒的に削減という方向です。それが市民感覚だろうと思います。
県内における宮古島市との類似団体は、名護市、糸満市、豊見城市がありますが、宮古毎日社の調査によれば、下記のようになっています(2013年4月1日現在)。
宮古毎日社のアンケートに見る市民の声は圧倒的に削減ですが、平良に住む市民はすべてが削減賛成。下地に住む市民の3名中削減賛成2名、反対1名。上野では3名とも削減の方向。伊良部も同様。ただ城辺地区市民の声は掲載がありません。 一方、現職市議は削減賛成2名。反対15、どちらとも言えない6名、無回答1名、と報道されています。
私自身の回答ですが、毎日社は、どちらとも言えない、に分類しています。「(前略)・・財源を問題にするのであれば、議員報酬を引き下げるなどの措置もあっていい。市民世論の動向に従う方が良いが、削減するのであれば、議会基本条例の制定後を希望する。議会の当局に対するチェック機能が低下してはならない。」とコメントしました。
私も含め、議員当人が改革に対し後ろ向きになるのは保身の表れでもありますが、民意との乖離には大きなものがあります。議会議員として自分たちが思っているほど市民の側は、議員が真摯に働いているとは思っていない、ということに気づいていないということでしょう。
ところで、かなり以前、福島県会津若松市議会の目黒章三郎議長の講演要旨が沖縄タイムスに掲載(沖縄国際大学総合研究機構沖縄法政研究所の公開シンポジウム「議会改革をめざして」同大学で開催)されていて、その切り抜きを今も持っているのですが、「市民目線で議論を」、~議会改革で目黒氏指摘~のみだしの後、「議会は当局と車の両輪になってはいけない。議員は与野党関係なく市民の多様な意見を吸い上げて議論し、問題解決に当たるべきだ」とし、議会基本条例(会津若松市は2008年議会基本条例を制定)については、「政策形成に市民参加と議員間討議、説明責任と議決責任を義務」づけ、「単なる(当局提案の)追認機関であったり、『与党だから賛成』『野党だから反対』の風潮を変える必要があり、賛否の理由を市民に説明できる議員でなければならない」、ことを主張しています。
これらの発言には共感を覚えるところですが、さらに「市民との意見交換会で出た要望を整理して、テーマ設定し、政策討論会を経て、まとまって当局に政策を提案する仕組みを持つ」同市議会のあり方や「議員が与野党や会派を超え、市民のために活動し、説明責任を果たそうとする気風」についてもコメントしています。手本とすべき議会のありようです。
従って、宮古島市民の側が市議会議員に対し、きわめて厳しい見解を示すのは当然のなりゆきと見るべきでしょう。26名の議員がいて、個々の議員が、議会や日頃の活動でどのように考え、行動しているのか市民には一向に見えてこないという、そのあたりも定数削減を圧倒的多数が支持する一つの要因であろうと私には思えます。
この議員たちに宮古島市の未来をまかせて大丈夫なのか、という思いと同時に、圧倒的多数の議員が与党化している現状にあって、市民を置き去りにして当局の意のままに事が進められていくありように、一種の危惧を覚えているのではないか、という思いもあります。勿論、類似団体(人口、その他の条件等が比較的似ている他の市町村)と比べて議員数が多いという事実は否定しません。
議員のコメントのなかで、削減賛成者が「地域の声は議員の数ではなく執行部と市議会の連携で反映可能。」という表現には違和感がつきまといます。議員が連携すべきは市民であって、執行部(当局)ではないという思いからです。議会基本条例にも言及していますが、条例制定の本旨からも外れます。
市民の側のコメントのなかでよく出てきたのが議員の少数精鋭(化)という表現です。少数精鋭はいいことなのですが、議員の場合、獲得票の多い順で当選し、議会参画が決められます。獲得票数が多いから精鋭であるという保証があるわけでもない、というあたりが悩ましいところです。但し、他に選出方法がないわけですから、この選出機能をより高めていくことを考えるべきでしょう。
投票する側としての私にもしっかりと候補者の資質を見極め、責任ある投票行動が求められている、そのように思います。
市議会議員定数削減 議員17人が反対 | 宮古毎日新聞社
4年ほど前に市議会が議決した定数の見直し(28名を26名に削減)に尚、市民の大勢(新聞社も含めて)は納得していないということであり、それに異論をはさむ気はありません。議員数、少し多いな、という感覚は実のところ私自身にもあったわけで、特に当選ラインすれすれで滑り込んだ一人としては戦々恐々ものですが、しかし個人の思いと宮古島市全体の利益や方向性を考えれば、それは適正な方向に向かわざるを得ないという思いは常々持っていたつもりです。同会派の議員も「避けられないだろう」という反応でした。市民の反応は圧倒的に削減という方向です。それが市民感覚だろうと思います。
県内における宮古島市との類似団体は、名護市、糸満市、豊見城市がありますが、宮古毎日社の調査によれば、下記のようになっています(2013年4月1日現在)。
議員数 | 人口 | |
---|---|---|
名護市 | 27名 | 60,471名 |
糸満市 | 24名 | 57,864名 |
豊見城市 | 24名 | 59,210名 |
宮古島市 | 26名 | 51,366名 |
宮古毎日社のアンケートに見る市民の声は圧倒的に削減ですが、平良に住む市民はすべてが削減賛成。下地に住む市民の3名中削減賛成2名、反対1名。上野では3名とも削減の方向。伊良部も同様。ただ城辺地区市民の声は掲載がありません。 一方、現職市議は削減賛成2名。反対15、どちらとも言えない6名、無回答1名、と報道されています。
私自身の回答ですが、毎日社は、どちらとも言えない、に分類しています。「(前略)・・財源を問題にするのであれば、議員報酬を引き下げるなどの措置もあっていい。市民世論の動向に従う方が良いが、削減するのであれば、議会基本条例の制定後を希望する。議会の当局に対するチェック機能が低下してはならない。」とコメントしました。
私も含め、議員当人が改革に対し後ろ向きになるのは保身の表れでもありますが、民意との乖離には大きなものがあります。議会議員として自分たちが思っているほど市民の側は、議員が真摯に働いているとは思っていない、ということに気づいていないということでしょう。
ところで、かなり以前、福島県会津若松市議会の目黒章三郎議長の講演要旨が沖縄タイムスに掲載(沖縄国際大学総合研究機構沖縄法政研究所の公開シンポジウム「議会改革をめざして」同大学で開催)されていて、その切り抜きを今も持っているのですが、「市民目線で議論を」、~議会改革で目黒氏指摘~のみだしの後、「議会は当局と車の両輪になってはいけない。議員は与野党関係なく市民の多様な意見を吸い上げて議論し、問題解決に当たるべきだ」とし、議会基本条例(会津若松市は2008年議会基本条例を制定)については、「政策形成に市民参加と議員間討議、説明責任と議決責任を義務」づけ、「単なる(当局提案の)追認機関であったり、『与党だから賛成』『野党だから反対』の風潮を変える必要があり、賛否の理由を市民に説明できる議員でなければならない」、ことを主張しています。
これらの発言には共感を覚えるところですが、さらに「市民との意見交換会で出た要望を整理して、テーマ設定し、政策討論会を経て、まとまって当局に政策を提案する仕組みを持つ」同市議会のあり方や「議員が与野党や会派を超え、市民のために活動し、説明責任を果たそうとする気風」についてもコメントしています。手本とすべき議会のありようです。
従って、宮古島市民の側が市議会議員に対し、きわめて厳しい見解を示すのは当然のなりゆきと見るべきでしょう。26名の議員がいて、個々の議員が、議会や日頃の活動でどのように考え、行動しているのか市民には一向に見えてこないという、そのあたりも定数削減を圧倒的多数が支持する一つの要因であろうと私には思えます。
この議員たちに宮古島市の未来をまかせて大丈夫なのか、という思いと同時に、圧倒的多数の議員が与党化している現状にあって、市民を置き去りにして当局の意のままに事が進められていくありように、一種の危惧を覚えているのではないか、という思いもあります。勿論、類似団体(人口、その他の条件等が比較的似ている他の市町村)と比べて議員数が多いという事実は否定しません。
議員のコメントのなかで、削減賛成者が「地域の声は議員の数ではなく執行部と市議会の連携で反映可能。」という表現には違和感がつきまといます。議員が連携すべきは市民であって、執行部(当局)ではないという思いからです。議会基本条例にも言及していますが、条例制定の本旨からも外れます。
市民の側のコメントのなかでよく出てきたのが議員の少数精鋭(化)という表現です。少数精鋭はいいことなのですが、議員の場合、獲得票の多い順で当選し、議会参画が決められます。獲得票数が多いから精鋭であるという保証があるわけでもない、というあたりが悩ましいところです。但し、他に選出方法がないわけですから、この選出機能をより高めていくことを考えるべきでしょう。
投票する側としての私にもしっかりと候補者の資質を見極め、責任ある投票行動が求められている、そのように思います。
2013/05/10
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