1月臨時議会(平成22年) ~宮古島海中公園(仮称)を巡って~

拙過平成22年1月臨時議会(1月20日~1月22日 3日間)
提案事項は、意見書議案1件、議案2件、報告1件でした。

 意見書議案は普天間基地の下地島空港への移設に断固反対する意見書(議会運営委員会提出)を全会一致で可決。その他の議案では一点、農林水産業費で補正される狩俣地区の海中公園整備事業に強い懸念をいたせざるを得ませんでした。

 総事業費が9億6百万円、うち8億7千6百万円が補助金で補助率96.6%となり、残りが市の地方債と一般財源です。2種類の補助金を重ねて高い補助率として、たいへん魅力のある事業ですが、この事業を受けるか受けないか、年度内の決断を迫られていて、当局は事業を受諾する決断をしたというのが本音のようでした。

宮古島海中公園(仮称)の事業内容
  • 海中観察施設(海中トンネル、進入路、道路、遍路)
  • 自然観察のための遊歩道(岬突端周辺遊歩道整備)
  • 海中ライトアップ用固定照明(水中照明、水中カメラ)
  • 磯遊び施設(浮き桟橋、ボート等、艇庫等)
  • 付帯施設(管理棟、休憩所、資産資料室、便所)


出資者は下記5者。
  • 宮古島漁業協同組合
  • 伊良部漁業協同組合
  • 池間漁業協同組合
  • 宮古島市
  • 宮古観光協会


 出資者の出資は8千万円で、そしてこれを経営するそうです。平成22年度で整備し、23・24年度は赤字経営、25年度(整備を始めてから4年後)から黒字に転じるという当局の読みですが、私とすれば、この予測はあまりに楽観的過ぎると思っています。その理由は以下に述べるとおりです。

1) 施設を展開する一帯の海象等の調査、データがない


 例年1~3つの台風に対処し得るのかという疑問。遊歩道や付帯施設も含めてです。

2) 交通アクセスの課題


 該当地区は「健康ふれあいランド」として整備された地区に重複する施設として整備されることになるが、主要道(県道)からのアクセスが判りにくいため、この解決が先でないといけない。

3) 維持管理の課題


 三漁協、狩俣集落、観光協会、市が共同出資して会社組織として運営するとしているが、市以外は財政的に弱い組織であり、ツケは市に回ってくるということになりかねない。

4) その他


 諸々の事情はあったと思うのですが、拙速に過ぎた感は否めません。自然、条件、特に海象は計り知れないものがありますし、施設を中心に行われる経済行為(商行為)は机上で考えるほど甘いものではありません。この計画が後々、共同出資をした組織に過重な負担を強いることになるのではという強い懸念はどうしても去りません。

 この計画に対して、私が賛成できなかった理由の主なものを挙げました。とにかく工事費用で数億のお金が使われるのだから、後先のことは目をつぶりましょうや、というのではよくないと思います。9億のお金はお互いが収めた税金なのですから。もう、そんな時代ではないでしょう。

  

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